小野ゼミ2期生 石井です
卒業論文を無事に提出することができました!
要旨部分のみですが、以下に記載させて頂きます
「一時留置型カテーテルの脱返血特性の評価」
急性腎不全や、透析導入時の一時的なバスキュラーアクセスとして、一時留置型カテーテルが広く用いられている。カテーテル早期抜去の要因となる脱血不良を、カテーテル挿入時に発見する基準を確立するため、本研究ではグリセリン溶液を用いた実験系にて一時留置型カテーテル単独の脱返血特性の評価を行った。
グリセリン溶液を用いた基礎実験を行い、5種類の一時留置型カテーテルを、カテーテル形状、有効長、外径、先端形状の違いにより比較した。設定血流量を上昇させた時に変化する、実血流量と設定血流量の差である乖離と、返血圧を、それぞれ脱血特性、返血特性の評価に用いた。
本研究では、40%グリセリン溶液の温度を変化させ、粘度を3.12±0.28mPa・s (高粘度)と2.11±0.06mPa・s (低粘度)にすることで、Ht20~30%付近の牛血液の粘度を模擬した。これより、臨床評価では困難であったカテーテル単独の脱返血特性を再現性良く調査することが可能であった。また、カテーテルの外径や形状など、脱返血特性へ影響を与える因子を絞り込めた反面、有効長の影響が少ないことも示唆された。
臨床現場における、一時留置型カテーテルの脱血不良の原因を特定する上で、本研究で得られたデータは重要な手掛かりになると考えられる。今後は、実験系で得られたデータと、臨床特有の脱血不良への影響因子を比較し、一時留置型カテーテルの脱血不良に対する指標を作成したい。
臨床の問題解決に向けた研究をさせて頂き、とても光栄です
今回得られた結果が、今後少しでも患者様のお力になればと期待しています
ゼミの1年半という期間を通して、自分自身とても勉強させて頂きました
また、それまで学んできた勉強とは違い、社会人のマナーもたくさん教えて頂きました
お世話になりました小野淳一先生、川崎医大附属病院腎センターのMEさん達に、深く感謝いたします
(*^∀^*)
(2期生 石井)