第1回岡山大学病院臨床工学セミナーにて、「臨床研究への取り組み方」について講演させていただきました。

2020.12.8に、岡山大学病院にて第1回岡山大学病院臨床工学セミナーにて、講演をさせていただく機会がありました。

講演タイトルは「臨床研究への取り組み方」であり、これまで川崎医科大学附属病院にて行ってきた臨床研究を紹介しながら、どのような事を考えながら研究を行ってきたか?また、その活動を通じての失敗談についてお話させていただきました。

このスライドは、透析量の質的管理法であるクリアランスギャップを考案したきっかけになった症例との出会いについてまとめました。その時に勉強していた化学工学の知識として「マスバランスエラー」という考え方がきっかけとして、このクリアランスギャップを考案することができました。バスキュラーアクセスの機能低下と透析効率との直接的な関係性を示すことができた研究テーマであったと思います。

このスライドは、著明な膜劣化のために、0.5L/hrの持続的血液濾過法(CHF)から1.0L/hrの持続的血液透析(CHD)に変更したところ、急激な昇圧効果を認めた敗血症性ショックの患者さんとの出会いについてまとめました。この経験から、透析液流量を積極的に増加させるHigh Flow CHDを考案し、その臨床効果(昇圧効果、予後改善効果)を報告してきました。臨床現場で、HF-CHDを施行することにより、昇圧効果と利尿効果が得られた患者さんを見ることにより、大変やりがいを感じた仕事でした。

最後に、臨床で働いている臨床工学技士の方に対して、私の反省を踏まえたメッセージをお送りして講演は終了となりました。

最近では、臨床研究を実施することのハードルが非常に高くなっており、若い臨床工学技士の皆さんが臨床研究を行いにくくなっている状況があると思います。しかし、目の前の患者さんを大切にし、注意深く観察し、考察しながら仕事を行っていくことにより、新しく重要な臨床知見を見出すことができるのではないかと思います。

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