特開2019-092643「単針式血液浄化装置」に関する特許が公開されました。

2017年-2019年の2年間で助成を受けた「橋渡し研究戦略的推進プログラム」の研究成果として、特開2019-092643「単針式血液浄化装置」が公開されました。

患者本人が自宅で行う夜間睡眠時透析(NHD)は、夜間睡眠時に透析治療を行うことで患者が社会復帰しやすい。また、施設透析と比較し、長時間の治療が行えるため透析効率が高く、透析合併症の抑制や腎移植患者と同程度の予後であることが報告されている。しかし、現在、NHDは治療中に生じる抜針による大出血事故や除水に伴う血圧低下などのリスクから我が国では普及していない。


 そこで、我々は1本の穿刺針を用いて透析治療を行うSingle Needle法(SN法)に着目した。現行のSN法は有効血流量が少なく、十分な透析効率が得られない。この原因として、ローラーポンプを用い強制的に脱血する一方、返血時には回路内の圧力差による受動的な移動であるため、脱血相に対し返血相が延長し、有効血流量の低下をきたす。これに対し、脱、返血をピストンポンプにより強制的に実施し、返血相の遅れを防止することで、有効血流量の増加を図る新しい体外循環法(圧縮空気駆動方式SN法)を提唱した。

 2017年度の本研究助成により、既製ピストンポンプを用いて動作回路の試作と運転データを取得し、特許申請を行った。また、得られたデータをもとに、ピストンポンプの最適設計ならびに試作機を作成し、その最適駆動条件の検討を実施中である。

この特許に関するお問い合わせは、小野淳一(jun@med.kawasaki-m.ac.jp)までよろしくお願いいたします。

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