2012年10月27,28日に埼玉県大宮で開催される第23回日本急性血液浄化学会に、卒業研究生の坂東くんの研究テーマ「敗血症性ショック患者に対するCRRTの治療条件とその溶質除去特性の検討」が、「Best Presentation Award」に、ノミネートされました。このAwardは、急性血液浄化領域における優秀な研究に対して送られる賞であり、この度多くの一般演題のなかから選ばれました。
第23回急性血液浄化学会(http://www2.convention.co.jp/23jsbpcc/)
カテゴリー*: 1.敗血症・多臓器不全
演題名*: 敗血症性ショックに対するCRRTの治療条件とその溶質除去特性の検討
川崎医療福祉大学臨床工学科、川崎医科大学附属病院MEセンター、川崎医科大学腎臓・高血圧内科
◯坂東直紀、梅野侑貴、壇上弘樹、水津英仁、小野淳一、堀家英之
【研究背景】これまで、敗血症性ショックに対し、CRRTの透析/補充液を増加させることで循環動態の改善効果が得られるとの報告が相次いでいる。これらの報告は、拡散、限外濾過の作用により、なんらかの血管拡張物質を除去していることがを強く示唆している。
【目的】本研究では、水系実験にて各種CRRT治療条件下における小、中分子領域の溶質除去特性を定量化することを目的とする。
【方法】今回、検討を行った治療法には、HF-CHD(QD3.0L/hr)、HFHV CHDF(QD1.0~3.0L/hr、QF 1.0L/hr)、HVHF(QF 6.0L/hr)を対象に、検討を行った。水系実験系にて、小、中分子領域の溶質除去特性を検討した。小、中分子領域のマーカー物質には、尿素、クレアチニン、分子量が広く分布するPVPを選択した。PVPの測定には高速液体クロマトグラフィー法を用い、カラム:Shodex Asahipak GF-510HQ、検出器:UV 220nmを用いた。脱血、返血、排液の3種類のサンプルを採取し、各溶質のクリアランスを算出した。各溶質の分子量とクリアランス値をもとに溶質除去特性の定量化を行った。
【結果】現在、それぞれの治療法における溶質除去特性について解析中である。これまでに報告されてきたCRRTの治療条件の溶質除去特性を解析することにより、敗血症性ショックに対するCRRTの標的分子領域の同定が可能になると考えている。
本番は、2012年10月27日(土)の9:30から発表して、その夜の懇親会で発表の予定です。
(文責:小野淳一)