人工心臓―未知なるミクロコスモスへの挑戦 単行本
- 2015/1/11
- Blog
人工心臓―未知なるミクロコスモスへの挑戦 単行本 –
渥美 和彦
http://blog-imgs-76.fc2.com/j/u/n/junscool/20150118100557f7d.png
単行本: 289ページ
出版社: 三田出版会 (1989/05)
ISBN-10: 4895830330
ISBN-13: 978-4895830331
発売日: 1989/05(絶版)
30年前、人工心臓の研究は医学界からも無謀視されていた。しかし、研究に携わる者たちは、その夢と理想を追いつづけ、いく度もの挫折を体験しながらもそれを乗り越え、いまや臨床応用を行なえるまでになった。本書は、人工臓器の国際的パイオニアの1人・渥美和彦博士が、その苦闘にみちた半生を自ら綴った感動の物語である。( Amazonより)
おすすめ度:★★★★★(未知なる臓器:人工心臓の開発への熱気が強く感じられる)
この本との出会いは、その後の私の人生において、非常に重要なものでした。この本では、渥美和彦先生を中心に医工連携により、それまでタブー視されていた人工心臓の開発について、非常に詳細に語られている。
渥美先生が研究に入る前の医局時代(1955年)から、医局に入って2年目に作成された論文「人工心臓の研究」(1957年)、研究グループを作るために人工内臓研究会の発足(1958年)と工学部との共同研究により、1958年に第1号の人工心臓の駆動装置の完成した。また、1959年に行われた初めての動物実験(5.5時間)から高分子材料の模索、コンピュータによる自動制御(1965年)などの技術的改良を経て、1971年のヤギ人工心臓装着による長期生存(151時間)、1984年の344時間へと飛躍的な技術開発を行ってきたことが、その時の熱気とともに非常に良く伝わってきました。この本と出会うことにより、私自身、臨床研究を通じて、いつか革新的な仕事を行っていこうと強く意識することができました。