設定血流量に対して上腕動脈血流量が多いにも関わらず透析機能低下が発生するメカニズムに関する論文が、 Kidney and Dialysis に掲載されました
2022/1/14に、設定血流量に対して上腕動脈血流量が多いにも関わらず透析機能低下が発生するメカニズムに関する論文が、 Kidney and Dialysis に掲載されました。
Ono J-i, Oiwa T, Ogasawara Y, Mochizuki S. Why Does Vascular Access Dysfunction Occur despite Brachial Artery Blood Flow Being Higher than Preset Blood Flow? Kidney and Dialysis. 2022; 2(1):38-43.
超音波検査で測定される上腕動脈流量(BAF)が、VAの貴重な治療的介入基準であることが報告されています。これまでの既存研究において、設定血流量200mL/minにて脱血不良が発生する症例を検出するBAFのカットオフ値は350mL/min程度と報告されています。しかし,設定血流量に対してBAFが高いにもかかわらず,VA機能障害が発生するメカニズムはこれまで明らかにされていません。今回の研究では、BAFの低下に伴う実血流量および再循環率の低下のメカニズムを基礎実験で明らかにすることを目的としました。その結果,設定血流量 180mL/minの条件下にてVA流量300mL/minで再循環の発生を認めました.なお、今回は実血流量の低下は認めませんでした。脈動により拡張期のBAFがあらかじめ設定された血流を下回るとVA機能障害が発生することが示唆された。
キーワード:血液透析,脱血流量,穿刺間流量,再循環率, VA機能障害, 基礎実験