第23回日本腎不全看護学会学術集会にて、「緊急時の対応:透析中に災害が起きたら?!」について発表しました。

2020年11月21-22日にWeb開催されました第23回日本腎不全看護学会学術集会にて、よくわかるセミナー 「緊急時の対応:透析中に災害が起きたら?!」について発表しました。この演題は、第23回日本腎不全看護学会学術集会の大会長である水内恵子氏からご依頼いただき、聴講される方(看護師の方々)にとって、有益な情報になるかどうかわからないなか、とっても苦労した発表でした。


 発表の内容は、近年、地震や洪水等による災害被害が各地では発生して、多くの透析スタッフの皆様が、大変な状況のなかで対応されているなか、1997年に川崎医科大学附属病院にて、透析中に発生した火災事故についてその状況や対応について詳細に紹介するともに、あらためて、透析中の災害について考えていきたいと考えて発表させていただきました。

火災事故状況
1997年1月20日、12:13分、過剰消費電力に伴う8F配電盤への過負荷による火災が発生、5階から16階までの吹き抜けシャフト内半焼、5階以上は停電となった。 火災通報は12時38分、消防車26台、人員161名にて消火作業が行われ、14時35分に鎮火した。避難患者数794名(自力避難308名、介助153名、単価搬送69名)であった。職員、学生約2300人を動員して避難活動にあたった。

9Fにあった透析室は、16床万床、午前中の透析工程はほぼ終了、12時17分に透析装置の停電警報が発生、自動バックアップ運転(8台)、血液ポンプ手回し(8台)にて対応した。12時29分、火災と判明、12時30分に全血回収、12時分45分、避難開始となる。非常階段から避難し、重症患者は担架、シーツにて搬送避難した。その後、他施設への振り分け、入院患者は他院へ搬送となった。翌日、事故の片付け、機械整備、他院の応援にあたり、3日後より透析再開となった。

今回の事例において、幸運であった側面として、シャフト外に火災が及ぼなかったこと、連絡手段として院内電話が使用であったこと、平日の日勤帯であったため、十分な人員の確保が可能であった点があげられる。逆に非常階段の幅が狭く担架が通らなかったこと、また、避難場所が2つに分散したため、全員の避難を確認することに時間を要したことが挙げられた。
 

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